第61信 ロベール・パンション宛
Lettre 61 : À Robert Pinchon
(*翻訳者 足立 和彦)
解説 電報風の文体で近況を語った手紙(断片)。戯曲『リュヌ伯爵夫人の裏切り』の進行状況が窺われると同時に、文学的思想として自然主義と一定の距離を置くモーパッサンの「戦略」の表明が興味深い。
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[断片]
[1877年2月]
……文学に関するニュースは無い。『国家』紙とは関係を絶った。ひどい新聞だ。
僕の芝居は完成しそうだ……(三幕の途中)短編小説を一本仕上げた……。『居酒屋』は熱狂的な成功を得た(二十版)。一気に読むと見事な効果を与える。本当に美しく、驚くべき力に溢れている。フロベールは短編集を四月二十日頃に出版するはず。『エロディアス』が素晴らしい。僕は詩を軽蔑している者たちの仲間に属している。彼らは僕の引き立て役になってくれるだろう。それは悪いことじゃない。僕は演劇や長編小説においては自然主義へ向かっている。何故なら、その類のを作れば作るほど、人をうんざりさせることになるから。他の者たちにとってはまったくの儲け話だ。友らよ、反抗に気をつけよ!……
……ラジエは僕の『最後の逃走』をマチネで朗誦したいと言っている。『シモンのパパ』は六月に下らない雑誌に載るだろう。
ジョゼフ・プリュニエ
Guy de Maupassant, Correspondance, éd. Jacques Suffel, Évreux, Le Cercle du bibliophile, 1973, t. I, p. 116.
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