第347信 J・K・ユイスマンス宛
Lettre 347 : À J.-K. Huysmans
(*翻訳者 足立 和彦)
解説 1884年5月31日の書簡。この年に刊行されたユイスマンスの小説『さかしま』 À rebours 寄贈に対する礼状。短い言葉だが書籍の内容を称えている。
ここでの予告通り、モーパッサンは6月10日付『ジル・ブラース』に書評「彼方へ」を発表する。書籍の内容を詳しく紹介したうえで、主人公デ・ゼッサントを「唯一の知的で、賢明で、創意に満ちた、真に理想主義で、宇宙の詩人」のようだと述べている。
***** ***** ***** *****
デュロン通り83番地
1884年5月31日[消印]
1884年5月31日[消印]
親しい友へ
目がひどく痛んだので、やっと君の書物を読み終えたところだ。
この本は僕を魅了し、笑わせ、夢想させた。文体、奇妙な真実、滑稽だが甘美な哲学に心を捕えられた。
この本について思うところを書くつもりだ。
心より握手を。
モーパッサン
Guy de Maupassant, Correspondance, éd. Jacques Suffel, Évreux, Le Cercle du bibliophile, 1973, t. II, p. 148.
Guy de Maupassant, Correspondance, éd. Jacques Suffel, Évreux, Le Cercle du bibliophile, 1973, t. II, p. 148.