モーパッサン 同時代評

Critiques contemporaines sur Maupassant



モーパッサン同時代評リスト



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エミール・ゾラ 解説 1880年に『脂肪の塊』によって実質的に文壇にデビューして以降、モーパッサンの作品は絶えず文芸批評をにぎわすものだった。その数は数えられないものである。
 日本にいながら当時の新聞・雑誌を閲覧することは難しいが、(それ故に)、興味深いものを訳出して公開してゆきたい。幸い、昨今は Gallica による電子テクストの公開も進んでいるので、そうした情報源を有効に活用したい。
 モーパッサンと同じ時代を生き、タイムリーに彼の作品を読んだ読者達。彼らはモーパッサンの作品に何を見たのだろうか。

 デビュー当初はゾラの一派、亜流として批判的な評論もみられるが、その際の論点はもっぱら主題の選択に集中しているといってよい。『女の一生』の成功以後、モーパッサンの評価は作を追うごとに高くなってゆき、瞬く間に「大家」のうちに数えられる。その作品は作者生前から「クラシック」入り間違いなしとお墨付きを与えられていた。批評家の大御所ジュール・ルメートルも絶賛に近い評価を下し、保守派の重鎮ブリュヌチエールも、留保をつけながらもモーパッサンを評価し、モーパッサンは彼が編集を勤める『両世界評論』への原稿の提供を承諾するに至った。
 生前のモーパッサン評価の論点はゾラ(右画像)の追悼演説に集約されているといってもよいが、簡潔さ・明晰さという古典主義的な美点がとりわけ評価された点に注意を促しておきたい。デカダン派、象徴派の隆盛は、多かれ少なかれ保守的な傾向のある批評家達にとって、なおさらモーパッサンの文学を称揚させる動機となったと考えられる。
 モーパッサンをレアリスムの大家とみなす意見も当時は多く見られる。現実を鏡のように歪めることなく映し出す才能。今日からすれば素朴すぎる「現実模倣」の観念が、当時はごく自然に受け入れられていたことにも留意したい。そのような見方を極端に誇張した上で、これを批判・排斥したのが20世紀後半のヌーヴェル・クリティックであり、その代表がロラン・バルトであったが、しかしモーパッサン自身、単純な現実の模倣など信じていなかった、という事実を忘れることはできない。
 この百年、モーパッサン像はどのように変化してきたのかを知るためにも、同時代評を読むことは今日なお有意であると考えている。





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