モーパッサン 劇作品

Théâtre de Maupassant



劇作品 翻訳リスト


『リュヌ伯爵夫人の裏切り』 三幕韻文歴史劇



『昔がたり』 一幕韻文劇



『稽古』 一幕韻文喜劇 (25/03)



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解説 劇作家としてのモーパッサンは二つの時期に区別される。1880年、「脂肪の塊」でデビューするまでは、もっぱら韻文劇を試みた(ただし友人達と演じた好色芝居『バラの葉、トルコ館』は散文)。80年以降、劇作から遠ざかるが、関心を捨てた訳ではなく、共作(ジャック・ノルマン)を含め二本の戯曲を残した。また最近発見された『マダム・トマサン』という興味深い小品も存在する(ニュースを参照)。これらはいずれも散文で書かれている。
 詳しくは各作品の紹介をご覧いただきたいが、70年代に書かれ、今日原稿の残された三本の韻文戯曲は、いずれも反自然主義的な作者の姿勢を示す点で興味深い。何より韻文という伝統的な形式を固辞した点だけをとっても、ゾラ、および彼のもとに集う若い自然主義者達との間に、一定の距離が認められる。
 もっとも重要な点は、そこにおいてどのように独自な作品を作りだすかにあり、その点で、モーパッサンは十分な成果を示すことが出来なかった、と言えるかもしれない。『昔がたり』、『稽古』は、いずれも社交界向きの上品な作風であり、決して前衛的な試みではない。また大作『リュヌ伯爵夫人の裏切り』(後に『レチュヌ伯爵夫人』に改題)は、百年戦争を舞台とした歴史劇だが、主な場面はレトリックを交えた対話によって展開され、古典主義的、むしろロマン主義的な色合いの濃い作品である。当時、こうした劇はたくさん書かれ、劇場に余っているほどだから上演は難しい、とモーパッサン自身打ち明けることにもなる。
 だがそれでも、それぞれの作品に、作者は趣向を凝らしている。またいずれの作品も恋愛を主題にし、作者独自の冷ややかな醒めた恋愛観が、情熱的な台詞の背後に透けて見えている点、後の小説作品を十分に予想させる。作品の構成、巧みな対話等、作者が劇作を通して学んだことも多いだろうことは、後の小説作品の中にも、対話だけでなるものや、劇的要素を織り込んだものの見られる点に窺われる。

 これまで省みられることの(余りに)少なかったモーパッサンの劇作品を、今日、新鮮な視線で読み返していただきたいと願う。




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