モーパッサン ニュース
Nouvelles sur Maupassant
ニュース リスト
- トロワイヤ『モーパッサン伝』刊行に寄せて (04/04/2023)
- 『モーパッサンの修業時代 作家が誕生するとき』刊行 (04/02/2018)
- ギェット館、売却? (09/04/2007)
- 『マダム・ボヴァリー』150周年! (30/03/2007)
- ギェット館、売却! (14/01/2007)
- 『モントリオル』復刊に寄せて (28/11/2006)
- カルネ・ド・ヴォワヤージュ (12/07/2006)
- マダムXの正体 (27/05/2006)
- モーパッサン、翻訳の歴史 (06/05/2006)
- 『マダム・トマサン』とはなにか (27/03/2006)
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モーパッサンは過去の作家であるから、今更新しいニュースなど存在しないだろうか。
もちろんそんなことはなく、今日も研究書、研究論文は書かれているし、コロック・研究会も行われている。
そこで本欄では、モーパッサン研究に関する新しい情報を、適宜お伝えしてゆくように努めたい。
ニュースはどんどん古くなるものだけれど、最新の情報だけが重要ではないところが人文研究の醍醐味、ということで、必ずしも最新の出来事に限らず、また過去の記事もそのまま掲載しておくこととしたい。その点、ご了承願いたい。
1993年の死後百年を機に続々と出版された研究書・論集の後、モーパッサン研究は一段落ついた感がある。2000年は生誕150年で、フロベール、ル・ポワトヴァンとの類縁関係を中心としたコロックが開催されたが、モーパッサン単独では難しかった、という事情が見て取れないではない。モーパッサン一筋に研究を続ける者は、フランス本国においてもそう多くはないのも確かである。
しかしながら、もちろんのこと、人文研究にそう簡単に終わりがあるはずもなく、今後も調査・研究が続けられるだろうし、そうでなければいけない。
なにより、批評校訂版の詩集、時評文、旅行記が出版されたのはいずれも最近のことで、作家モーパッサンの全体像はようやく近年になって明らかになってきたと言える。新たに発見される書簡もあり、モーパッサンが関わったのではないかと目される戯曲も見つかった。
一方で、古典が読み継がれてゆくためには、いつの時代にも新しい「現代」の視点から、批判・再検討が繰り返されることも必要であるだろう。
今後も優れた研究が生まれ、モーパッサン文学の新たな魅力を教えてくれるように願ってやまない。